通貨統合

通貨統合(monetary union)とは、複数の国が単一の通貨を使用する経済圏を形成することで、1999年に形成されたユーロ圏が代表例である。単一通貨を採用すると、経済規模の大きい通貨圏が形成されるため、国際取引で当該通貨の使用頻度が高まるため、域内だけではなく、域外諸国にとっても利便性が向上する。

また、域内各国の価格の比較が容易となり、為替取引の費用や為替変動リスクが消滅する、生産コストの低下や効率的な資本の利用が促進される、域内の貿易や資本の移動が拡大して競争が活発となるなどのメリットがある。

他方で、金利や為替政策は域内で統一されるので、各国固有の経済状況に適した金利や為替レートに誘導・調節することはできず、景気循環に対応する手段が制限されるという問題がある。そのため、通貨統合の成功には、域内各国の経済的な結びつきが強く、類似した景気循環とインフレ動向を有しており、各国の金融政策の利害が一致する環境が必要となる。

域内各国で需要と供給の不均衡が生じるときに、域内の経済が低迷している国から好景気の国に向けて労働力が速やかに移動して不均衡が円滑に調整される柔軟な労働市場の存在も求められる。