転換社債

転換社債とは、満期となった際にその額面を発行企業の普通株に転換するか、現金で償還するかを投資家が選択する社債のこと。社債権者が一定期間内に請求を行えば、あらかじめ定められた条件で発行会社の株式へ転換することができる権利が付いている社債である。転換社債の投資家は、株式へ転換しなければ社債権者として利子の支払を受け、さらに償還期限まで社債として保有していた場合には元本の払戻しを受けることができる。

転換を規定する詳細事項、株式の数などは、債券の発行時に決められている。

転換社債は、投資家にとって二重の魅力がある。株価が上昇した場合、転換社債の市場価値は上がるが、株価が下落した場合の下げ幅は普通債の下落範囲に留まる。値上がりの可能性は値下がりのリスクよりも大きい

一般に転換社債は、同じ発行体が売り出す普通債よりも低い利回りであるものの、原株よりは利回りが高い。投資家は、仲買業者を通じて転換社債を購入したり、転換社債に投資するミューチュアル・ファンド・を選択することが可能である。


1938年に商法で転換社債の発行についての規定が追加された後、1949年に土佐電気鉄道が最初の転換社債を発行した。

その後国内で発行された転換社債は、1963年までは額面価格をもって株式に転換する額面転換方式であった。しかし、1962年に日立製作所が米国で発行した米ドル建ての時価発行方式の転換社債が成功を収めたのを受け、1966年に日本通運が国内で時価発行方式(発行時に定められた株式時価を基準とした価格で株式への転換を行える方式)による転換社債を発行した。

それ以来、日本でも時価転換社債が相次いで発行されるようになった。1973年には無担保転換社債の発行が可能となった。1979年は完全無担保発行も認められることとなった。2002年4月施行の商法改正では、新株予約権という機会が導入されたのを受け、転換社債の法的な位置づけは新株予約権付社債に変更された。

こうした法的取扱いの変更で、旧来型の転換社債は転換社債型新株予約権付社債と位置づけられた。