貯蓄のパラドックス

貯蓄のパラドックスとは、通常は貯蓄をしようと思えば貯蓄は増えていくが、国民が全体的に貯蓄を増やそうとすると、国というマクロ的な視点で見ていくとむしろ下がってしまう現象が発生するという逆説のこと。

貯蓄のパラドックスのメカニズムは以下のとおりである。

もし国民一人一人が貯蓄に収入の多くを回そうとしたとする。すると、消費のために使うお金も減少してしまう。
ということは、ありとあらゆる産業の業績が悪化をしてしまう。「財布のひもが固くなる」ともいうが、消費意欲が減退してしまうために、売り上げが減少してしまうためである。
すべての国民が何らかの経済活動をしている。ということは、会社の業績が悪化をすることは、労働者の収入面にも影響を及ぼす。
国民の収入が減少する。結果的に国全体としてみた場合、貯蓄率が減少してしまうということになるわけである。

不況下に入ると、できるだけ将来のためを考えて貯蓄にできるだけ回そうという傾向がみられる。ある意味当然の帰結だ。
しかしこの貯蓄へ回そうという意識が、不況を深刻なものとしたり、もしくは長期的な景気後退を引き起こす原動力ともなるわけである。