特定口座

特定口座(分離課税)とは、上場株式等の譲渡所得などの納税手続きの負担を軽減するために導入された制度。個人投資家が利用できる。

個人の株式などの譲渡所得などに関する納税方法は、2003年1月に源泉徴収で課税関係が終了する源泉分離課税が廃止されて、申告分離課税に一本化された。このため、年間の株式売買などで利益を得た投資家は、確定申告で所得申告を行い納税をすることとなった。株式投資に確定申告が必須となると、個人投資家離れを招く可能性があることから、株式に係る納税手続きを簡素なものとする手段として導入された。特定口座は証券会社など1社につき1口座開設できる。

特定口座に預けた上場株式などは、取得価額や譲渡損益の計算を投資家に代わって証券会社などが行う。また、投資家はそれを選択することで、譲渡益から税金分の源泉徴収を証券会社に代行してもらうことができ(源泉徴収額は証券会社等が税務署に納付)、確定申告が不要となる。

もっとも、一般口座や他社の特定口座内の損益との損益通算や、特定口座内で生じた譲渡損の翌年への繰越しは特定口座では対応できないため確定申告が必要となる。そのため、複数の口座を使って運用している投資家は特定口座には向いていない。

株式等の譲渡所得等の確定申告を行う場合には、通常、確定申告書に「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を添付して税務署に提出する必要があるが、特定口座内の取引は証券会社等から送付される「特定口座年間取引報告書」で代用することができる。それによって確定申告が簡便なものとなる。

なお、特定口座に預けることができるのは、税法上「上場株式等」と規定されている。税法上の「上場株式等」は、上場株式、店頭登録株式、新株予約権付社債ETFREITなどが該当する。2004年10月から国内非上場株式投資信託も対象に追加された。