日本銀行法38条融資

日本銀行法38条融資とは、日銀の最後の貸し手機能の中核をなす融資制度である。
金融システム全体の安定を確保するプルーデンス政策には、事前監督、預金保険制度と並んで、中央銀行による最後の貸し手機能がある。旧日本銀行法のもとでは、同法25条にもとづく無担保の特別融資(日銀特融)として、大蔵大臣認可を取得して実施されていた。

しかし、新日銀法では、決済事故への対応を目的とした特別融資は日銀独自の判断で行いうる旨が定められた(37条)一方、信用秩序の維持のために特に必要があると認められる場合には、内閣総理大臣および財務大臣の要請を受けて、 日銀は政策委員会でその要否を決定し、実施することとなった(38条)。

後者は38条融資とよばれるが、これについては、破綻金融機関関係者のモラルハザード防止のため、発動の判断基準として、1.放置した場合のシステミックリスク顕在化のおそれ、2.日銀による資金供給の必要不可欠性、3.経営責任の明確化、4.日銀自身の財務の健全性維持への配慮(その返済原資が見込まれること)、の4原則のもとで、厳格に運営される。

旧法25条時代には、信用補完のための資本性の資金供与も行われたが、新法施行と同時に、38条融資は破綻金融機関に対する処理策実施までの流動性供給に限定するという運用が貫かれている。