引受(underwriting)とは

引受とは、証券実務上、新たな有価証券の発行にあたって、売り捌く目的を持って、その有価証券の全部もしくは一部を取得して(買取引受)、 または、売れ残りがあった場合にそれを取得する(残額引受)契約を発行者と結び、実行することをいう。

引受は発行される有価証券が全部取得され、未取得分を残さないことを発行者に保証する。これによって社債発行が不成立となるなどの危険を引受会社の負担によりなくし、証券発行を確実にする機能を果たしている。

引受における上記の危険負担を引受責任といい、保証の方法として、株式であれば買い取り、社債であれば残額の引受が前提となった契約が結ばれることが多い。こうした引受契約を直接発行者と結ぶことを元引受といい、元引受契約を締結する会社を元引受会社という。
引受業務は判断を誤ると、多くの売れ残り証券を抱え込むこととなり、資産内容を悪化させる危険性が高い。


既存有価証券を売り出す場合、引受と同様の機能を果たす業務を売出といい、引受とあわせて両者を引受業務(またはアンダーライター業務)と呼び、両業務を行う会社を引受会社(アンダーライター)と呼ぶ。


元引受会社と引受契約を締結し、引受を行うことを下引受と呼び、その引受契約を下引受契約という。また、証券の発行額が大規模になると、単独の会社のみで引受責任を負うことは困難であり、複数の引受会社により、引受が行われることとなる。この場合、これらの引受会社の集団を引受シンジケート団といい、略して、引受シ団、シ団と呼ぶ。
引受団契約が引受シ団各社によって締結されて、各社の引受分担額、引受手数料の配分等が決められてシ団が組成される。

引受業務は既述のような、その業務に特有の危険を考慮し、原則として証券会社にのみ認められており、預金者保護の目的で、国債、地方債等の公共債を除き、銀行等の金融機関には、この引受業務は禁止されている。

ただ、競争促進などの理由から、1993年から、銀行の証券子会社設立が認められ、これら銀行系証券子会社は、引受を主要業務と位置づけ、積極的な業務展開に乗り出している。
引受とは異なり、危険負担のない分売行為を募集(selling)という。 引受という用語には、 ほかに、売り出す目的がなく、単に投資の目的で新たに発行される有価証券を取得する商法上の引受(subscription)の意味があり、この意味の引受は誰でもすることができる。