可変的保険料率制

可変的保険料率制とは、預金保険機構は、金融機関が破綻した際に、零細預金者を保護するために、1人当り上限1000万円までの預金と利息を払い戻すため、対象となる預金の期末残高の一定額分を預金保険料として、加盟金融機関から徴求して、その財源にあてるという制度。

この保険料率が、バブル崩壊後の相次ぐ金融破綻に対応した財源確保のため、1996年に預金保険法が改正されて、一般保険料が従来の4倍(0.048%)に引き上げられるとともに、救済金融機関に対する営業譲渡等を成立させるために必要な資金援助費用捻出のために特別保険料(0.036%)が徴求されていた。

その後、金融破綻がほぼ終息して、2002年4月より定期性預金ペイオフが解禁されたことを受け、ペイオフコストを超えて資金援助を行うことは金融機関、預金者双方のモラルハザードを惹起しかねないとし、特別保険料は2001年度をもって廃止された。

同時に、一般保険料定期性預金のベイオフ解禁を踏まえ、2001年度より全額保護される決済性の「特定預金」と「その他預金等」(元本1000万円およびその利息等が保護)に区分され、2002年度については、それぞれ「特定預金」が0.0094%、「その他預金等」が0.080%の保険料が課せられている。

一方米国ではベイオフが解禁されているが、事実上預金は100%保証されている。このためモラルハザードが生じる可能性があることから、93年から可変保険料制度を採用しており、自己資本比率にもとづいて0.23~0.31%の格差を設けている。

日本でもペイオフ全面凍結解除の議論のなかで、可変保険料制の導入が視野に入ってきており、預金保険機構は、2003年10月より「預金保険料率に関する研究会」を設置し、可変保険料を含む預金保険料率のあり方について検討を開始した。可変保険料の導入は、国家機関による金融機関の格付けになりかねないリスクもあり、料率算定の基準のあり方が焦点となっている。