債権放棄

債権放棄(debt waiver)とは、財務状況が悪化した企業の再建を支援するために金融機関が、貸付金の一部もしくは全部の返済を免除すること。関係者が、法的手続をとらずに私的に協議して借り手企業の債権債務を処理する私的整理の一手法で、再建計画と引換えに行われる。債務者側から見る場合は債務免除とよばれる。

1999年以降、不振企業の経営の早期立て直しと不良債権の最終処理を目的にゼネコンや不動産会社を中心に相次いで行われた。

債権放棄は関係当事者のみの合意で決められるだけに手続の透明性や公平性を確保する必要があるため、全国銀行協会や経済団体連合会、識者などで構成される研究会で2001年9月に「私的整理に関するガイドライン」を策定した。この中で、経営者の退任、減資等による株主責任の明確化、3年以内の債務超過解消と経常黒字化を条件として定めた。

金融機関が債権放棄での損失を税務上損金処理できるのは、「債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その貸金等の弁済を受けることができないと認められる場合」(法人税基本通達961)、もしくは「合理的な再建計画に基づく債権放葉等による損失」(同通達942)である場合に限られている。

私的整理に関するガイドライン」にもとづく債権放棄は、合理的な再建計画にもとづく債権放棄として取り扱われる。