ドーマーの定理

ドーマーの定理(Domar's theorem)とは、1940年代に米国のE.D.ドーマーによって提唱された財政赤字の維持可能性に関する条件のこと。「ドーマーの条件」ともよばれる。財政赤字の維持可能性とは、対GDP比でみた政府債務残高が膨張し続けずに、一定の割合以下で推移することを意味する。プライマリーバランスが均衡しているもとでは、名目GDP成長率が名目利子率を上回れば財政赤字は維持可能であるという内容の定理である。これは、プライマリーバランスが均衡していると公債の利払い分だけ債務残高が増えるが、それ以上に名目GDPが上昇すれば、対GDP比でみた政府債務残高は膨張しないことから理解できる。

日本の政府債務残高(財政赤字)は1990年代以降増え続けているため、政府はプライマリーバランスの均衡を当面の目標とした。しかし、たとえそれが実現できたとしても、ドーマーの定理はゼロ%前後の低い名目成長率では財政赤字を維持可能できないことを示しており、財政赤字脱却の困難さを示唆している。