アセットアロケーションとは

アセットアロケーションとは、投資の対象となる資産が株式、債券、現金など複数ある場合に、運用資産をそれぞれにどれだけ分配するのか決めることを指す。投資プロセスの中でパフォーマンスへの影響がもっとも大きい部分であり、資産運用の目的を勘案してリスク許容度を反映させる必要があることから、もっとも重要な投資意思決定プロセスであるといわれている。

長期的な観点から配分を決定する戦略的アセットアロケーションと、短期的パフォーマンスの向上を狙った戦術的アセットアロケーション、ポートフォリオインシュランスをオプションを使わずに実施するダイナミックアセットアロケーションに分類される。

戦略的アセットアロケーションは、投資家の投資方針を反映した長期的な資産配分策定に用いられる。これは投資家のリスク許容度に応じてリターンを最大化することを目的としており、手法には各資産のリスク・リターンおよび資産間の相関関係についての長期的なデータを基礎とする平均・分散アプローチが用いられる。これによって得られたポートフォリオは投資方針を反映していることから政策アセット・ミックスと呼ばれる。しかし、戦略的アセット・アロケーションで一度資産の配分を定めても、各資産の時価の変化により比率は当初のものと差異が出てくる。このマネジメントがリバランス(rebalancing)であり、その時期、中心基準をどこにするかなど検討を要する事項は多いが、今のところ広く認められたルールは存在せず、実務上早急な解決を要する問題になっている。

戦術的アセットアロケーションはTAAとも呼ばれ、広義ではアセットアロケーションのマーケットタイミング戦略そのものを指す。ただし狭義では、資産クラスの相対的な魅力度を何らかの手法(主として定量的な分析モデル)により判定し、その判定に基づいて短期的にアセットアロケーションを変更することで、政策アセットミックスに付加価値を付ける手法を意味する。通常は相対的に価格が上昇した資産を減らし、価格が下落した資産を増やすという逆張りのアセットアロケーションになり、順張り的な性格を有するダイナミックアセットアロケーションとは対照的な動きをする。また対象となる資産も株式と債券、株式と現金など2資産から3資産程度に限定されることが多く、アセットアロケーション全体にどのように位置づけるかも問題になる。

株式のリスク・プレミアムに関して、最近のファイナンス理論がリスクプレミアムの時系列変動を前提にしていることを考慮すると、現在の戦略的アセットアロケーション手法そのものを見直す必要性もでてくる。その見直しの1つの方向は、平均・分散アプローチのような一期間ではなく、多期間の最適化問題をダイナミックプログラミング(dynamic programming)を用いて解くことである。もう一つの方向は、見直し間隔を含むリバランス問題の再検討、そしてマーケットタイミング戦略採用の可能性を探ることである。